告知の次の日。相方が広島から帰ってきて、姉と3人で相談することになっていました。主には、病院をどうするか、です。当然東京でしょ、という相方と、地元の広島と東京と迷う私、東京でいいんじゃんと思いつつ2人の間に立つ姉、という構図でした。私の気持ちとしては、手術になれば広島から母が来ることになるし、そうなれば父が犬と二人っきりになるから悪いなあと思っていました。母も慣れない土地での生活になるし、元気とはいえ2人とももう60歳越えてますから、身体がきついのは目に見えてます。
今までの家族の入院の経験から、入院・手術の時は家族が大変なのを身を持って感じていたので、迷惑をかけることになるなら最小限にしたいというのが私の本音でした。東京派の相方と姉は、技術的に一番進んでるのは東京の病院だし、今住んでるのも東京なんだからこっちで手術すれば、という意見でした。広島で手術してもいいとは思うけど、技術的に東京>広島だろうから、手術がうまくいかない可能性もある、という話も共有しました。 これとは別に姉が友人のT大病院の先生に連絡を取ってくれていました。その人の専門は循環器外科ですが、国立がんセンター中央病院のA先生は人柄・技術ともに推薦できるという話でした。ただしHPによると、初診は2,3週間待ち、手術は初診から1カ月待ち。 その間にガンが進行することもあり得ます。うーん・・・、日曜日は結論出ず。色んな可能性のメリット/デメリットを考えて、一日が終わりました。 月曜日。職場の人には何も話さないまま悶々と仕事をこなし、帰宅。姉と実務的な話をし、相方と平和な話をして癒されます。東京か広島かというところで揺れます。発症年齢が若いということが気になる。すごい難しいガンだったらどうしよう、とか、広島でお腹開けてみて、ごめんうちじゃ無理、ということになるのは避けたい。とか何とかで、何となく東京に傾きつつ、就寝。 火曜日。月曜日よりは落ち着いて仕事ができました。広島なら、ということも考えて色んな人に聞いていましたが、いまいち情報が集まりません。早くした方がいいかどうかはステージにもよるんじゃないか、とか地方と首都圏の医療格差の話とか、先生との相性とか、色々考えると広島がいいのか東京がいいのか段々分からなくなります。煮詰まって、とにかく新橋の病院に相談に行こう、ということになりました。で、広島の病院のことは新橋の先生と相談してみて、もらえそうならまずは築地のがんセンターの紹介状だけでも書いてもらおうか、ということになりました。 午後、早退して紹介状をもらいに行きました。がんセンターの紹介状をもらい、必要なら広島の病院も紹介状は書けるという話を聞いて、ほっとした気持ちで病院を後にしました。ただ、残念なことに新橋の病院の院長先生の広島の知り合いは、ガン治療では余り評判のよくない病院だったので、そのルートは使えないなと感じていました。 夜、友人から電話がありました。親戚に医療関係者がいて相談してくれた様で、とにかく早く総合病院の初診にいくように強く勧められました。同じアドバイスを、姉の知り合いのT大病院の先生からももらい、両方に背中を押された形で、今紹介状をもらっている築地の国立がんセンターでとにかく初診の予約の電話をしてみようということになりました。 ここまで決まったところで、母に話すことを決意しました。姉は顔を見て話したら、と言っていましたが、母にとっては、広島で父と顔を見ながら相談した方が冷静に受け止められるだろう、と思ったのです。 すると、「やっぱりね」と一言。検査の後「念のため組織取って調べるんだって」と送ったメールで変だなと思ったんだそうです。今の一通りの流れを説明し、次の日(水曜日に母は上京してくることになっていたので)のことについて話しをしました。 親に報告したら、後は流されるままに進んでいきます。 水曜日。朝仕事の合間に病院に電話をすると、次の日の木曜日の初診の予約が取れました。午後、管理職に報告し、来期の仕事について相談しました。身体のことを優先するように言ってもらい、一安心。ちょうど春休みの直前だったのもよかったのかもしれません。とにかく、怖いくらい、とんとん拍子。 夜、母が上京してきて、3人でご飯を食べた後、姉の知り合いのT大病院の先生に会いました。1時間くらい話して別れましたが、とても心配してくださいました。ありがたい。 初診の予約まですれば、後は主治医の先生に任せれば何とかなる、と思い、ほっとしたのを覚えています。告知から主治医を決めるまで色んな可能性を考えて、何が何やら分からないまま、大きい何かに突き動かされて、動いていたような気がします。だから何をしたのか、記憶が定かではありません(このブログは記録メモに基づいています)。覚えているのは、土曜日の医者の下手な告知の仕方とか、月曜日に、職場で無茶振りをされてイライラし、会議の間一人机に戻っておやつを食べた、とか、友人の留守電に悲壮感がこもっていて心動いた、とか、変な記憶だけ。 今こうして書くことで振り返ってみると、告知から主治医を決めるまでに、私を動かしていた大きな流れは、周りの人たちの気持ちだったのかもしれないと思います。私は人に恵まれている、と心から思います。 ありがとう。
by fai_2010_220
| 2010-04-24 08:01
| 身体のこと(手術前)
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